プログラムを通した地域移行支援

 こんにちは。医療福祉部 地域移行支援室のPSWとして勤務しております。地域移行支援室とは何をしているところか…ご存知のない方も多いと思いますが、簡単に言うと退院のお手伝いをしている部署です。今日は、地域移行支援室が関わっている院内で行っている地域事業所との合同プログラムについて少し紹介したいと思います。

当院は、救急の治療を主に行っているイメージが強いと思いますが、地域で入院加療を必要としている患者様の治療を行うためにはまずはお受入れするベッドが確保されていることが必要不可欠です。急性期の治療が終了し短期間で退院される患者様がおられる一方、入院が長期になり退院に関して不安を感じておられる患者様もいらっしゃいます。新しく入院をお受入れするためには、そのような不安を感じておられる患者様の退院に向けて丁寧な支援をすることもとても大切で必要なことだと実感している今日この頃です。

当院の開放病棟にはそのように入院が長期になり退院することに不安を感じたり、意欲が低下したりしている患者様もおられ、地域移行に向けて地域の現状を知る人の介入や院内の環境調整を行い更なる地域連携強化の必要性が生じたという経緯から、現在地域の事業所のスタッフやピアサポーターさん(以下、ピアさん)に定期的に来院していただき、一緒にプログラムを行っています。

多職種で協働して行う大集団のプログラムでは、地域の事業所のスタッフやピアさんに参加して頂き、一緒にゲームをしたり、病棟で採れた野菜を使っての調理、季節のイベントに合わせお花見やそうめん流し、クリスマス会などをして交流しています。最近は、ピアさんの講演会も行っていて、患者様にアンケートを取り、興味のある話題(お金や住まいなど)についてピアさんはどのようにしているかお話して頂きます。患者様も真剣な表情で聞かれており、たくさんの質問が出るのが印象的です。

小集団で行っている『地域体験ラボ』では、患者様4名程を対象として、地域の事業所スタッフやピアさんと交流しながら、実際に地域の事業所の見学や体験を行っています。最近では、患者さんとピアさんだけで話すピアトークという時間も設けています。
他に、『扉の会』という既存のプログラムでは意欲の喚起が難しいような患者様対象のプログラムも新しく行っています。これは、地域の事業所から提案があり、何度も何度も打ち合わせを重ね試行錯誤しながら行ってきたものです。5名程の患者様を対象にして地域の事業所スタッフやピアさんに参加して頂き、希望や強みを見付けることやグループの中で出てきた皆でしたいことを実現することを目的としたプログラムです。サイコロやトランプを使いゲーム感覚で話しやすい雰囲気作りを心がけています。

このようなプログラムを通して、患者様は地域で実際に生活しているピアさんの姿を見て、不安な気持ちが少し和らいだり、自信がついたり、退院の意欲が芽生えたりし、何年も時間がかかることがありますが、地域での新しい生活に移行される方がいらっしゃいます。スピード感をもって入院のお受入れ対応をする必要がある一方で、時間をかけて患者様一人ひとりの希望に沿って患者様のタイミングに合わせて退院に向けてのサポートをすることの重要性を強く感じています。社会や組織が変化する中であっても、PSWとして目の前の患者様やご家族に誠実に対応することを忘れずにいたいです。